夢のようで夢じゃない、ただの私の願望です
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Wish on a Star 1
category: - | author: 蛟 双燿
行きたい、行きたいと願い続けていた。
変えたい、変えたいと望み続けていた。


Wish on a Star 1


 きっと一年前までの私ならあまりのことにショック死してしまったかもしれないが、今の私はなんら驚きはしなかった。――いつものようにベッドに横になり、瞳を閉じて、いつものように目覚めたと思ったら背中にはベッドカバーではない固い感触。上半身を起こして辺りを見回せばそこは、普通の人にとっては全く知らないだろう、でも私にとっては見知りすぎている場所だった。
 いや、見知る、という表現は少し間違っているかもしれない。実際に私がこの場所を見るのは今がはじめてだから。それでも知っているのは、それが幾度となく夢の中で思い描いた場所だから。目を閉じればはっきりと細部までが脳裏に浮かび上がる場所――空想であるはずの場所だから。
 『ダイアゴン横丁』――それがこの場所の名前だ。まだ夜明け前らしく、立ち並ぶ店には一様に”closed”の看板が。人通りもほとんど無い。そのおかげで、石畳の上で眠っていた私はさぞかし奇妙だったろうが、今のところ私に気付いて怪しんでいる人はいなさそうだ。たとえもし真昼間に寝転がっていたとしても、ここの人たちの間ではさして珍しいことでもないから手付かずで放置されていただろうが。
 ついさっき別れを告げてきた元の世界よりも、今までずっとこちらで暮らしていたみたいに、何もかも慣れ親しんでいるかのように親しみを感じる自分に、何だか笑いがこみ上げてきた。私はこちらにいきなり飛ばされてもショックを受けないどころか、心の中は喜びで満ち溢れていた。私は自然と自分が何をすべきかわかっていた。まるでいつかここに来ることを知っていて、ちゃんと計画を立てて準備していたかのように―――もしかしたら、本当にそうだったのかもしれない。
 立ち上がり、背中やお尻についた砂埃を軽く手で叩いて落とす。見渡せば見渡すほど、思い描いていた通りの場所だった。嬉しくて嬉しくてどうしようもなくて、涙が溢れてきた。慌てて着慣れたパジャマの袖で拭うが、次々と零れ落ちてくる。数分後、何とか涙を止めた私は、少しも迷うことなく足を踏み出した―――『漏れ鍋』へ。

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